<1.地質時代の区分と化石> 地質時代のワークシートPDF 地質時代のワークシート解答PDF
陰生累代と顕生累代
硬い殻をもつ生物が多数出現した時代を境界として定められている。
隠生累代とは別名先カンブリア時代とも呼ばれ、冥王代、始生代、原生代に分けられる。顕生累代は、古生代、中生代、新生代に区分される。
生物の大量絶滅と進化
地球史の中で、古生代からこれまでに、多数の生物が短期間で地球上から姿を消した大量絶滅が5回あり、3回目と5回目は古生代と中生代、中生代と新生代を区分するものとなっている。
大量絶滅が生じると生物の生態系が崩れ、天敵がいなくなることにより、新たな生物が繁栄を始める。これにより、生物が進化していく。
化石
①示準化石
年代が特定できる化石を示準化石という。代表例として以下のものがある。
カヘイ石(新生代) フズリナ(古生代末期) 参考(フズリナ模式図)
②示相化石
当時の生活環境がわかる化石
例:ビカリア 暖かい汽水域(淡水と海水が入り混じる)の河口
例:サンゴ 暖かい浅い海
<2.古生物の変遷> 考えるワークシート1PDF 考えるワークシート1解答PDF
先カンブリア時代
冥王代 46億年前〜40億年前 当時の様子動画
地球が誕生した当時、微惑星の衝突の熱によって地球が大きく成長していく過程で重力が大きくなり、大気を留めておけるようになった。これにより、原始大気が形成され、その大気の温室効果で地球全体が高温状態になり、表面の岩石はは融解し、マグマの海(マグマオーシャン)で覆われた。その後徐々に地球は冷やされていき、その中で密度の大きな鉄が中心部に沈み込み、核を形成した。その周りには、マントル、地殻が形成され、地球の三層構造ができあがった。また、地球が冷やされたことで、原始大気による雨が地表まで到達し、原始海洋が誕生した。まだ、この時代には生物は誕生していない。
始生代 40億年前〜25億年前
かつて高温であった地球が冷やされ、地殻や海が形成されていく中で、生命が誕生した。最古の生命の痕跡は38億年前と考えられており、化石として発見されているものは35億年前の細菌である。この後、海中に生命が繁栄し始め、27億年前にはシアノバクテリアと呼ばれる光合成生物が登場し、それらが海底で結合しストロマトライトを構成した。この光合成生物によって、海中の酸素量が増加していった。
原生代 25億年前〜5億4000万年前
始生代の末期に登場した光合成生物の働きにより、海中酸素量が増加し、海中で鉄イオンと結びつき、酸化鉄を形成し堆積していった。この堆積物はのちに、縞状鉄鉱層という地層を形成した。また、この時代には全球凍結という地球全体が氷で覆われたことが、赤道地域に氷堆積物があったことから証明されている(スノーボールアース)。この後、生物界が一転し大型の硬い殻を持たない動物群(エディアカラ化石群)が登場した。
古生代
古生代のカンブリア紀にはカンブリア大爆発と呼ばれるほど、生物が爆発的に増加した。この時代には硬い殻をもつ動物群(バージェス化石群)が登場した。その中でもアノマロカリス、オパビニア、三葉虫などが有名である。
オルドビス紀に入ると、温暖な機構となり、海にはサンゴや筆石が繁栄した。また、この時代の末期には1回目の大量絶滅があり、筆石や三葉虫などの生物がほとんどいなくなった。
この時代は陸上に植物が進出した。その理由は、大気圏にオゾン層が形成され、生物に有害な紫外線が吸収されたことである。これより、世界最古の陸上植物クックソニアが出現した。
この時代はサンゴや魚類が繁栄し、魚類の時代とも呼ばれる。水中から陸上に両生類であるイクチオステガやアカントステガが進出した。中生代に大繁栄したアンモナイトはこの時代に出現した。
この時代はロボク・リンボク・フウインボクなどのシダ植物の大森林が現れた。そして、このシダ植物の化石が現在燃料として使用されている石炭となった。また、大気中の酸素濃度は30%近くまで上昇し、生物が巨大化していった。
酸素濃度の上昇による生物の巨大化の原因は、酸素の毒素である。空気中の酸素濃度が上昇すると生物にとって有害な物となり、その環境に打ち勝つために生物は大型化したという説がある。
ペルム紀
この時代は世界の大陸が1つに集結し超大陸パンゲアが形成された。また、海にはアンモナイトや紡錘虫(フズリナ)が繁栄した。紡錘虫は石炭紀に出現しこのペルム紀に絶滅したため、示準化石として用いられる。また、この時代の末期には火山の噴火を引き金とした環境の変化によって、史上最大の生物の大量絶滅が生じた(動画)。
中生代 中生代の地球(動画)
トリアス紀(三畳紀)
ペルム紀末期の大量絶滅後、様々な生物が出現した。モノチスをはじめとする二枚貝やアンモナイトが繁栄した。また、陸上では大型は虫類の恐竜が繁栄を始めた。
ジュラ紀
恐竜が大繁栄した時代である。また、小型の恐竜の一部が鳥類へと進化をした。始祖鳥もその例である。植物界ではイチョウやソテツなどの裸子植物が繁栄した。海の中では二枚貝のトリゴニアやイノセラムスが出現した。
白亜紀 白亜紀の地球
白亜紀の地球は温暖化し、極付近の氷が溶け始めていた。その影響から大西洋北部で生じていた海水の沈み込みが行われなくなり、深層循環に影響を与えたと考えられる。また、約6500万年前にメキシコ湾に巨大隕石が落下し、気象変動が生じ、生物の大量絶滅が起きたと考えられている。
新生代
古第三紀
新生代に入るとほ乳類が繁栄を始め大型化していった。(像や鹿など)代表的な示準化石には大型有孔虫のカヘイ石がある。また、この時代はインド大陸がプレートの活動により大移動をしユーラシア大陸に衝突し、ヒマラヤ山脈が形成された。
新第三紀 新第三紀の地球
海と陸の生物相は現代のものに近づいていった。ヒト科の生物もこの時代に現れた。デスモスチルスなどの体長3mを超えるの巨大なほ乳類が出現した。また、河口付近の汽水域には巻貝のビカリアが繁栄した。
第四紀 第四紀の地球
第四紀に入ると、マンモスやエゾシカなど生物相は現代のものとなった。人類は、猿人(アウストラロピテクスなど)、原人(ジャワ原人など)、旧人(ネアンデルタール人など)、新人(クロマニョン人など)の順に進化を遂げた。また、この時代は氷期と間氷期が繰り返されており、気温と二酸化炭素濃度には相関関係がある。